親というものは自分の子どもを第一に考えている、と言われる。うるさい小言も「あなたのためだから」と言われれば、耳を傾けざるを得ない。しかし、よかれと思ってのアドバイスが、子どもを取り巻く環境を正しく踏まえたものでなかったとしたら……。 人材コンサルタントの常見陽平氏は、学生の就職難の原因のひとつは親にあり、無知なのに過干渉な「バカ親」が子どもたちの就職活動を歪めていると指摘する。 テレビCM見ながら「ここ受けたら?」という母親 ――私が取材で出会った早稲田大学に通う4年生の山田博美さんは、就活中の大学4年の6月、母親と一緒に家にいたときに、こんなやりとりがあったという。 「夕飯を食べたあと、母親とテレビを見ていたんです。そしたら、CMに入ったとき『あなた、この企業受けたらどう?』と言い出したのです。次のCMに入ったら、『ここなんかもいいんじゃない?』って……。その会社のこととか業界を知らない