CDCがインドとパキスタン、ベネズエラ、南アフリカ、そして日本からのカンジダ・アウリスのサンプルの全ゲノムを比較したところ、もともとの発生源は1カ所だけではないことと、菌株も1つではないことが確認された。 ゲノムシーケンスではカンジダ・アウリスには4つの菌株があることが確認された。その違いは大きく、数千年前に枝分かれしたことがうかがえる。害のないそこらにいる菌株だったのが、なぜか同時期に世界の4カ所で薬剤耐性菌となって改めて姿を現したわけだ。 農作物への殺かび剤使いすぎが原因か 「どういう風にか、(4つの菌株は)ほぼ同時期に大きな進化を遂げたようだ。そして各地に広がり、耐性を獲得している。本当に驚くべきことだ」とバラバネニは言う。 カンジダ・アウリスに何が起きたのかについては複数の仮説がある。オランダの研究者のメイスは、農作物への殺かび剤の使いすぎが薬剤耐性真菌を生んだと考えているという。