iPS細胞の臨床研究に関する記者会見をする高橋政代・元理化学研究所プロジェクトリーダー(右)=神戸市中央区で2018年1月16日午後4時27分、山崎一輝撮影 研究者と企業による「産学連携」で、争いが相次いでいる。このうち著名な研究者が当事者となった二つの事例では、開発方針を巡る考え方や莫大(ばくだい)な特許料収入の分配方法などで相違が生じ、当事者間では解決できず、行政への裁定請求や訴訟に至った。背景として研究機関側の構造的な「弱点」が浮かぶ。 技術開発者なのに「共同特許」使えない iPS細胞(人工多能性幹細胞)由来の網膜の細胞を世界で初めて患者に移植した、元理化学研究所プロジェクトリーダーの高橋政代氏(60)は9月、網膜細胞の製造方法の特許を持つバイオベンチャー企業「ヘリオス」(東京都)などに対し、特許技術を使わせるよう経済産業相に裁定を求めたことを明らかにした。特許法に基づく「公共の利益
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