ロームはホコリが積もってできた 赤土とも言われる関東ロームは、関東平野の西にある富士山や浅間山が噴火して降り積もった火山灰だとふつう説明される。しかし、それは間違いだ。ほんとうは、河原の砂泥や畑の土が春の強風で巻き上げられて風下に降り積もってできた。つまりホコリだ。 火山はめったに噴火しない。富士山はもう300年も眠っている。いっぽうロームは毎年0.1ミリ、100年で1センチ、1万年で1メートル積もる。関東地方の河原や畑には火山灰がたくさん露出しているから、関東ロームの構成物にも火山灰が多い。 関東ロームを水洗いして中から鉱物をみつける実験手順が学校教科書にのっている。そうやって石英だの角閃石だのを子どもたちに自分でみつけさせて顕微鏡の下で観察させる手順はよいのだが、「火山灰がはいっているからローム層は火山の噴火でできた」と結論させるのは間違っている。 火山が噴火しなくても、ロームは毎年積