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ブックマーク / tojikoji.hatenablog.com (6)

  • 【書評】人間が人間を食べる習慣を理解すべきか?『人喰い ロックフェラー失踪事件』 - Under the roof

    人喰い (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズIII-8) 作者: カール・ホフマン,奥野克巳,古屋美登里 出版社/メーカー: 亜紀書房 発売日: 2019/03/21 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 書を読んで得られるのは、知識や教養などといった安易なものではない。 むしろ、自分にはまだまだ知らないことや、理解できない世界がとんでもなく広がっているということを思い知らされた。 サブタイトルにもなっている『ロックフェラー失踪事件』の『ロックフェラー』は、あの『ロックフェラー』だ。 19世紀末のアメリカ、世界一の大富豪と言われた石油王ジョン・D・ロックフェラー。 その孫であり、事件当時の1961年に大学生だったマイケル・ロックフェラーこそが、書のタイトルでもある「人喰い」によって殺される被害者である。 「プリミティブ・アート」と言われる、未開の地の原住民たちが作る美術品。

    【書評】人間が人間を食べる習慣を理解すべきか?『人喰い ロックフェラー失踪事件』 - Under the roof
  • 【書評】結局この作家は全作品傑作です。『生まれ変わり』 - Under the roof

    生まれ変わり (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者: ケンリュウ,牧野千穂,古沢嘉通,幹遙子,大谷真弓 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2019/02/20 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 『紙の動物園』『母の記憶に』の短編集、そして様々な中国人作家の作品を自身が精選したアンソロジー『折りたたみ北京』と、関わった作品すべてが面白かったケン・リュウの短編集第3弾。 で、もちろんこれも期待通りの面白さだった。 前2作まででは、心の琴線に触れるような泣ける話こそがケン・リュウの真骨頂だと思っていたんだが、書収録作品はかなりバラエティに富んでいて、今までのケン・リュウ作品をいい意味で裏切ってくれた。 冒頭の3作『生まれ変わり』『介護士』『ランニング・シューズ』はどれも重めの心理描写で「ああ、ケン・リュウやっぱり凄いね…」って感じで読み始めたんだが、その次の『化学調味料ゴー

  • 【書評】我々の、そしてタコの心はどこから来たのか?『タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源』 - Under the roof

    タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源 作者: ピーター・ゴドフリー=スミス,夏目大 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2018/11/17 メディア: 単行 この商品を含むブログ (2件) を見る 昔、ネット情報だが「イカの目は異常に発達していて非常に高い性能を持っている。しかし、脳はそれほど発達していないので目から得た情報を処理し切れていない」というのを見たことがある。「イカは宇宙人が送り込んだ偵察用の生物兵器だ」とか、オカルトな事も書かれていて当時若かった僕は面白がって見ていたものだった。 イカやタコといった生物は、鮮魚コーナーや水族館で目にする「ごくありふれた身近な生き物・べ物」だ。だが、先に述べたイカの目の能力であったり、タコには3歳児並みの知能があるといった研究結果など、一般的な魚とは一線を画す部分が「見た目」にも「能力」にも備わっている。 書のタイトルにも

    【書評】我々の、そしてタコの心はどこから来たのか?『タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源』 - Under the roof
    gimonfu_usr
    gimonfu_usr 2019/02/26
    ( ダイオウイカの目は、メジェド神くらいの迫力はあるよ。)
  • 【書評】個人的にツボすぎなので次回作以降も全部読みます『半分世界』 - Under the roof

    半分世界 (創元日SF叢書) 作者: 石川宗生 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2018/01/22 メディア: 単行 この商品を含むブログ (3件) を見る うわあああ凄い…!マジかこれ完全にツボすぎるだろもうずっと読んでたいよこの作品の感じ…もうこれ次回作以降も絶対全部読んでやるわ…!! って思うくらい個人的にツボでした。最高。 と同時に、僕は面白いんだけど、ひとにお勧めするときに紹介方法に困る小説たちだなというのも感じた。 上田岳弘さんの作品のように不可思議すぎて紹介が難しい。 紹介文だと一応、SF短編集…なんだが、日常の思考実験のようなテイストなのでハードさはない。どちらかというとカフカみたいな不条理設定を突き詰めて、それを絶妙に面白く日常に落とし込んでいったような…そんな感じ。「筒井康隆っぽい」という評価には納得。 短編というより中編の長さのお話が4つ収録されている

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  • 【書評】小説よりも不気味な未解決事件に挑む『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』 - Under the roof

    死に山: 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相 作者: ドニー・アイカー,安原和見 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/08/25 メディア: 単行 この商品を含むブログ (1件) を見る ちょっと前にネットを賑わせていた書。アマゾンで在庫不足のためか定価より1,000円以上高値で売られていた時期もあったらしい。 まずは書の内容紹介を引用したい。 1959年、冷戦下のソ連・ウラル山脈で起きた遭難事故。 登山チーム九名はテントから一キロ半ほども離れた場所で、この世のものとは思えない凄惨な死に様で発見された。 氷点下の中で衣服をろくに着けておらず、全員がを履いていない。 三人は頭蓋骨折などの重傷、女性メンバーの一人は舌を喪失。 遺体の着衣からは異常な濃度の放射線が検出された。 最終報告書は「未知の不可抗力によって死亡」と語るのみ――。 地元住民に「死に山

    【書評】小説よりも不気味な未解決事件に挑む『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』 - Under the roof
    gimonfu_usr
    gimonfu_usr 2018/11/08
    ( こういうのを翻訳して出版してもらえるのは本当に有難いのだ。)( ロシア)
  • 【書評】確かに全て裏切られたミステリー『その女アレックス』 - Under the roof

    その女アレックス (文春文庫) 作者: ピエールルメートル,橘明美 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/09/02 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (137件) を見る 流石『このミス!』1位。 小説読むならミステリーよりSF派の僕でも、見事に引き込まれてしまった。 前述のとおり、僕は普段SFばかり読んでいて、あまりミステリーは読まないんだが、『このミステリーがすごい!』とかで評判がいい奴は個人的にハズれたことがないので、数か月に1冊とか気が向いたときに読むようにしている。 で、書は『このミステリーがすごい!2015』で海外編1位となった作品。 海外ミステリで初の6冠達成とか、書きっかけで作者のピエール・ルメートルの同シリーズミステリが翻訳出版されて、屋さんでずっと平積み状態で売られていたりと、とにかく中身以外の前評判だけでも凄まじい作品。 帯にも『あなたの予想

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