「ザ・コーヴ」から 和歌山県太地町のイルカ漁を批判する米国のドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」が東京、大阪などで公開されている。「反日的だ」として保守系団体が上映反対を表明。上映が危ぶまれたが、各劇場には観客が詰めかけている。 それにしても、保守系団体のやり方は間違っている。表現の自由の侵害という意味ではない。作品を見た日本人の多くがむしろナショナリズムをかき立てられている。「外国人が日本の文化に口を挟むな」というわけだ。保守系団体としては上映を推進した方が得策ではないだろうか。 この映画を見て思い出すのは「インディ・ジョーンズ」シリーズだ。太地町に乗り込む動物保護活動家のリック・オバリーさんは、秘儀を行う未開人のコミュニティーにやって来るハリソン・フォードそのもの。この構図の原点はもちろん西部劇にある。 もう少しクールな観客からは「娯楽作としては良く出来ている」という感想も耳にす