タグ

ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (6)

  • 『Documentary』中平卓馬(AkikoNagasawaPublishing) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「中平卓馬の写真をめぐって(その2)」を書こうと思ううちに、日がたってしまった。「その1」を出したのは3月下旬だが、最近、ある場所ではじめてお会いした方から「その2」はいつでるのですか?と尋ねられて、あせった。こんなところで読者にお会いするとは思わず、薮からいきなり棒でつんつんとつつかれたように驚いた。 4月からはじまった新聞連載に追われて、「書評空間月2回」という自分の立てた目標が崩れはじめている。その連載は文章だけでなく写真も撮らなくてはならず、お尻についた火を消しながら走っている状態なのだ。加えて単行の書き下ろしの仕事もあり、この二ヶ月忙殺されていた。 その書き下ろしが一段落し、連載のほうのメドもたってきたので、急ぎ足で大阪のSixで開催中の中平卓馬「キリカエ」展を見てきた。『Documentary』の進行形ともいえる展示で、この写真集に収められている写真とそ

    『Documentary』中平卓馬(AkikoNagasawaPublishing) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    ginyuu
    ginyuu 2011/05/18
    全然うまく言えないけれど、この写真集はまさしく写真そのものの絶対にいっているなと思う。
  • 『不完全なレンズで』ロベール・ドアノー著 堀江敏幸訳(月曜社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「写真家とはこういう者である」 ロベール・ドアノーと聞いて、その人、だれ?と首を傾げる人でも彼の写真は見ているはずである。恵比寿の東京都写真美術館に行くと入口の通路のところで、壁にプリントされたキスをする恋人をとらえた巨大な写真が目に飛び込んでくる。この写真の撮影者がロベール・ドアノーである。 マグナムの写真家として世界を股にかけたアンリ・カルチェ=ブレッソンなどと比較するとつつましい存在だったドアノーは、かつて『ライフ』の依頼で撮ったこの写真が1983年に再利用されたことで一躍有名になった。写真が「パリ=恋人たちの街」というイメージを再生産するのに大きく貢献したことはまちがいなく、当時はそれをさらに盛り上げるためにパリの観光局は若いカップルに金を払って街のあちこちでキスさせている、というまことしやかな噂さえ流れたものだった。 1912年生まれのドアノーはそのときすで

    『不完全なレンズで』ロベール・ドアノー著 堀江敏幸訳(月曜社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    ginyuu
    ginyuu 2010/11/07
    写真家とは。なんか、ひとつ謎がとけたような、納得しました。
  • 『SWISS』長島有里枝(赤々舎) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「異国にいる「孤独」が浮かびあがらせたもの」 彼女のこれまでの仕事を知っている人は、この写真集を開いてホントに長島有里枝?と首を傾げるかもしれない。1993年、大学生のときに「アーバナート」展でパルコ賞を受賞しデビュー、受賞作は家族のヌードという、それまでの写真表現の枠を破るような過激な内容だった。 審査の会場で長島の作品に目を付けたのは荒木経惟だった。候補作からもれていたのを、遅れて審査の場にやって来た彼が「これを入れなきゃだめじゃない」と主張して審査の流れが変り受賞したという半ば伝説化したエピソードがある。それから17年、『SWISS』と題されたこの写真集には、つねに生きることを問うてきたこの写真家の生の温度と、自分を「他者」として見つめる冷徹な視線とが脈打っている。 写真と言葉を一緒に載せたは多いが、両者の関係がうまくいっていると感じる例は案外少ないものだ。両

    『SWISS』長島有里枝(赤々舎) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 『光と重力』今井智己(リトルモア) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「奇妙なほどモノが克明にみえる瞬間」写真集にはおもしろいと感じて、そのおもしろさがすっと言葉になるときと、時間のかかるときとがある。今井智己のこの写真集がそうだった。感じとっているものはたくさんあるはずなのに、そうでなければこんなに何度も見ないのに、それが何なのかがつかめない。心の印画紙はたしかに感光しているのに像を結ばないのだ。 写真は言葉より先の世界を目指すものであるから、こういう反応が生まれるのは写真らしい写真と言える。言葉よりもずっと先を走っている。「写真度」が高い。それなら無理して言葉にせずに写真を見て満足していればいいかもしれないが、言葉人間である私はそれではだめなのだ。自分の反応の仕組みをなんとか探ってみたいともがく。 まず写っているもののことから話そう。最初は崖の岩肌。つぎは針葉樹の森。地面に少し雪が残っている。そのつぎは松林で地面に雑草が生えていて、

    『光と重力』今井智己(リトルモア) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 『通訳ダニエル・シュタイン』リュドミラ・ウリツカヤ(新潮社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「瞠目させられる構成力、驚愕の書」 2009年に読んだでもっとも驚いたといえば、この『通訳ダニエル・シュタイン』である。さまざまなことに驚愕したが、まずは作品の形式だ。 最初の章はエヴァ・マヌキャンという女性の独り語りである。つぎの章では1章に出てきたエステル・ハントマンという女性に語り手がバトンタッチされる。それぞれに日付と場所が書かれていて、エヴァは「1985年12月 ボストン」、エステルは「1986年1月 ボストン」。 ふたりが交互に語っていくのだろうと思って読み進んでいくと、3章ではイサーク・ハントマンという男性に語り手が替わり、時間も過去にさかのぼって「1959年〜83年」になる。名字がエステルと同じなので血縁とわかるが、説明的なことは書かれてない。 4章ではさらに時空が飛ぶ。「1946年1月 ヴロツワフ」となり、 エフライム・ツヴ

    『通訳ダニエル・シュタイン』リュドミラ・ウリツカヤ(新潮社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 『にっぽん劇場』『何かへの旅』森山大道(月曜社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 「森山大道はこうして出来上がった」 いま書店の写真コーナーには森山大道のたくさんの写真集が売られている。大判のものからペーパーバックまで、サイズも厚みも装丁もさまざまな写真集がところ狭しと置かれており、写真集売り場の占有率がもっとも高いひとりであるのがわかる。 ここに新たに『にっぽん劇場』と『何かへの旅』の2冊が加わった。「1965-1970」「1971ー1974」という年号からおわかりのとおり新作ではないが、なあんだ、と言うなかれ。この2冊の刊行は、写真集史におけるひとつの「事件」とも言える重要性をもっているように思う。 理由を説明する前に、個人的な体験をふり返ってみたい。1993年から1年余にわたって14人の写真家を取材して『芸術新潮』に連載した。後に『眼の狩人』というにまとまったこの仕事が、私が写真と関わるきっかけだったが、このときに予想

    『にっぽん劇場』『何かへの旅』森山大道(月曜社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 1