認知症の最大の原因とされるアルツハイマー病。日本のみならず世界中で多くの人が抱える病ですが、いまだに根本的な治療法がありません。 今月14日、アメリカの製薬大手メルク社は、アルツハイマー病の治療薬として期待されていた薬剤「ベルべセスタット(Verubecestat)」の開発を一部中断すると発表しました。(プレスリリースはこちら) 軽度から中度のアルツハイマー病を抱える方に、この薬を投与する大規模な試験を行っていたのですが、外部の機関により「良い効果が出る見込みがない」と指摘され、中止に踏み切ったということです。 この薬は「今度こそ成功するのでは」と期待されていたものでした。去年、32人に投与する小規模な試験を行ったところ、この病気の原因とされる「アミロイドβ(ベータ)」という物質が減るなど、期待を持てる結果が確認されていたからです。 ところが今回、実際に多くの人に投与してみると、どうやら「