「忍者」や「忍び」というと、黒ずくめの装束で運動能力に優れ、敵の城や屋敷に潜入し、時に手裏剣(しゅりけん)などの武器を使うイメージを持つ人が多いでしょう。また最近では日本以上に、アメリカをはじめ諸外国で「Ninja」は人気があり、ハリウッドでも数々の映画に登場しています。もちろん映画やコミックなどでの彼らの活躍は誇張され、現実とはかけ離れていますが、しかしその存在自体を荒唐無稽(こうとうむけい)と考えるのは早計です。戦国時代から江戸時代にかけて、特殊な技術を用いて諜報活動に暗躍した者たちは確かに存在しました。今回は忍者の実態と、彼らの数々の秘術について紹介します。 忍者とは何者なのか? なぜ伊賀や甲賀で忍術が磨かれたのか? そもそも忍者とは何者で、いつ頃から存在するのでしょうか。 「伊賀(いが)・甲賀(こうか)と号し、忍者という。敵の城中へ自由に忍び込み、密事を見聞して、味方に告知する者で