卒業・入学シーズンを控えての一大イベント。「とりあえずクルマの免許でも取らなきゃ……」という“国民皆免許”の時代は、とうに終わりつつある。 ライフスタイルの変化により、とりわけ都会で暮らす若者の消費意欲は、高額な車を買うよりもケータイやパソコンなど情報機器へと向かう。ケータイ1台持てば、買い物もネットで済み、自宅に商品が届けられる。移動手段として車を持つ必要性がなくなれば、「免許離れ」が加速するのも当然か。 警視庁発表の「運転免許統計」によると、都道府県の公安委員会が認定した指定自動車教習所の卒業者数は約156万人(2011年)で、2002年と比べると約40万人も減っている。それに伴い、教習所はこの10年で100校以上が廃業に追い込まれた。 生き残りをかけた教習所は、あの手この手のサービス合戦を繰り広げている。自動車評論家の菰田潔氏がいう。 「いまの教習所は接客業の意識が高く、昔の