不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 「モダンデザインの歴史をざっと概観する」<1・2・3> とはいえ、すぐには自由な発想の新しいデザインが生まれるわけもなく、十九世紀のデザイナーたちは歴史主義と呼ばれる過去の歴史的様式を折衷したスタイルを提案していました。過去の遺産の継ぎ接ぎです。 そうした過去の遺産にすがることなく、まったく新たなデザインの方法が近代に生み出されるためには十九世紀末以降のイギリスでのウィリアム・モリスが主導したアーツアンドクラフト運動やフランスを中心に植物などの自然の形態を用いながらガラスや鉄などの新素材による造形の可能性を模索したアールヌーヴォーを待たなくてはいけませんでした。 アーツアンドクラフト運動やアールヌーヴォーは過去の様式を恣意的に用いる歴史様式、また、産業革命の結果として大量生