不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 最近、本は相変わらずのペースで呼んでいますが、なんとなく書評を書く気にはなれなかったのですが、ひさしぶりに。 紹介するのは、すこし前に『忘れられた日本人』という日本民俗学における名著を紹介させてもらった宮本常一さんの遺稿を死後編集し出版したもの。 『忘れられた日本人』を読めば感じられるとおり、日本列島を徹底的に歩き回った宮本さんが、『古事記』や『日本書紀』、『万葉集』、『風土記』などの古代の文献を読み返しながら日本文化論がこの一冊です。 フィールドワークと文献研究網野善彦さんによる解説のなかの次の一文がまさにそのとおりだと感じたので、まずそれを引用しておきます。 私は本書を読んで、民俗学者としての姿勢を徹底的に貫き、広い調査、フィールドワークを積み重ね、民俗・民具資料につい