不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 前回の「ルネサンスの背景(デザインの誕生2)」の最後に、ルネサンスの中世からの変革の背景を支えた思想に、ネオプラトニズムがあったと書きました。 ネオプラトニズム(新プラトン主義)は、はじめ紀元3世紀頃にプロティノスによって開始され、ルネサンス期に再び盛んになった思想です。古代ローマ帝国の流れをくむ東ローマ帝国が1453年に滅亡にした際、多くの知識人が携えてきた古代ギリシャ・ローマの書物や知識がイタリアにもたらされます。中世のスコラ哲学ではアリストテレスの思想が重視されたこともあり、プラトンの思想(もしくはその思想は背景としたネオプラトニズム)はいわば忘れられた存在でした。それが東ローマ帝国からの古代の知の流入をきっかけにプラトンへの注目が集まることになる。 1463年にはマ