不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 宮本常一さんの『日本文化の形成』で描かれていた東西で別々の国として存在していた日本に興味をもち、すでにまとめ買いしてあった網野善彦さんのこの一冊を読みはじめました。 ゆがめられた日本史イメージを問い直すという姿勢は網野史学に通底するテーマですが、この本では「同じ現代の日本人である沖縄人、アイヌ人に対する屈折した差別、さらに朝鮮人に対する長年のいわれのない差別は、間違いなく単一の日本民族、古代以来の単一な日本国家を前提とする歴史観にその根拠をもっている」という通説化した日本民族観、日本史像を再検討するため、宮本さんが取り上げた古代以来、歴史的に近い時代までみられた東日本と西日本の差異を主題として取り上げています。 東と西の違いまず、東と西の違いを語るこの一冊は、現在にも残るこ