今回、ローマとパリを旅行する前に、バルトルシャイティスの『イシス探求』を読んでいた。 きっかけはヤン・アスマンの『エジプト人モーセ』を読んだことだ。ヨーロッパとエジプトのつながりに興味を持ったので、エジプトの女神イシスを題材にしたバルトルシャイティスの本を手にとったのだった。これが旅行直前の心理状況において、殊の外、興味をそそる内容だった。 こんなことが書かれていた。 「パリは河の中に作られた都市であり船をシンボルとしている。この船とはイシスの象徴である」と。セーヌ川の中州であるシテ島がパリのはじまりであることくらいは知っていた。しかし、このイシスの「船はバリス Baris と呼ばれた。この発音がガリアの訛りのせいでパリ Paris となった」というのを知ると俄然興味が出てきた。 イシスの船という名の街パリ。 そして、たくさんのオベリスクが建つ街ローマ。 この2つの街をまわる際の裏テーマと