ずさんな学校基本調査 「住民票はあるのに行方の分からない子供の数ですか? 1年に2、3人、突然いなくなる子がいる印象ですが、正確には分かりません」 東京23区のある区教育委員会の職員は首をかしげる。 学齢期の子供が姿を消し就学が確認できないケースは、単なる手続きミスを除いて一家や親子による夜逃げ、死亡後に遺体が確認できない-などさまざま考えられる。いずれにしても異常な状態にあることが推測できるが、多くの教育委員会は不明者数の把握すら行わない。それどころか国の調査にも正確に答えず、統計の信頼性を根底から揺るがしている。 文部科学省によると、1年以上行方不明の状態が続いた児童生徒の学齢簿は別の簿冊で管理することになっている。その簿冊にある数を毎年5月1日に行う学校基本調査で「1年以上居所不明者数」(=以下、不明者数)として、昭和36年から各市町村教委に報告を求め集計。今年度の不明者数は全国で3