■国文学研究 100年経て岐路に 大学改革の波のなかで、国文学科が減り続けている。本居宣長につらなる国学に、ドイツ的な文献実証学の方法を接ぎ木した国文学研究が確立して100年あまり。存亡が問われる曲がり角を迎えた。 「国文学が大きな危機を迎えているとき、鬼となってこの世にとどまり、国文学の行く末を見守ってほしい」 学会の中心的存在で、『国書総目録』を編集した市古貞次さんが2年前に亡くなった時、葬儀委員長を務めた秋山虔・東京大名誉教授はこんな弔辞を読んだ。状況への危機感が生んだ、型破りともいえることばだった。 国文学のなかでも、かつて「現代と地続き」と言われた江戸期の研究者は、中野三敏・九州大名誉教授が80年代から危機を訴えたように、状況を深刻にとらえ、再生への試みを続けている。 6月に出版された「西鶴と浮世草子研究」(笠間書院、年1回刊行)は、専門的な論文を掲載すると同時に、徹底して一般読

