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ブックマーク / outofthekitchen.blog.fc2.com (2)

  • アンポンタンと私 - キッチンに入るな

    ◇ これの続き: 大正生まれの私の祖父は、記憶に登場する最初のころから腰は曲がっていたが、70歳を越えても毎日車を運転するいかしたジジイであった。そして私と姉を、幼稚園から小学校低学年ぐらいまで、面白がって騙し続けたジジイでもあった。 いわく、「町に行くたびべるおいしいべ物があって、それは“アンポンタン”というんだ」「あんぽんたん!!」 ○ それはどんなべ物なのか。話を聞くたび、答えは違った。 「ほかほかしている」「やわらかい」「ひとつでおなかいっぱいになる」。 いっこうに像を結ばない“アンポンタン”は、私と姉の頭の中でおおいに膨らんだ。 ○    ○ 祖父はアンポンタンの味も様々に形容したが、今から思えば、そこにはひとかけらの具体性もなかった。 「おいしすぎてほっぺたが落ちる。というか、落ちた。医者でほっぺをつけ直してもらって帰ってきた」。 さすがにそれは嘘だとわかった。でも、それ

    gkmond
    gkmond 2012/02/19
    これはいいよ。
  • モンダウゲンと巻きひげの話 - キッチンに入るな

    新潮社から新訳が出たトマス・ピンチョンの『V.』(1963)のうち、上巻と下巻にまたがる第九章「モンダウゲンの物語」は、1922年におけるドイツの南西アフリカ保護領を舞台にしています。 大学を出たばかりの技術者クルト・モンダウゲンは、空電の調査を命じられてはるばるこの地までやって来たものの、5月のある日、原住民のボンデルスヴァールツ族が反乱を起こしたと知らされる。 あわてたモンダウゲンが避難した先は、フォプルという農園主の屋敷。そこは外界から切り離された、ヨーロッパ各国の白人たちの集う社交場になっており、彼らは酒池肉林の“籠城パーティー”を始めていた。 パーティーの続くあいだ、屋敷ではあやしげな男女が次々に登場してそれぞれの思い込みをモンダウゲンの耳へ一方的に注ぎ込み、やがて壊血病にうなされる彼の脳裏には、これに先立つ1904年の原住民大虐殺の記憶が(他人の記憶なのに!)フラッシュバックす

    gkmond
    gkmond 2011/04/12
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