■甘口辛口・2月16日 「すべる」という言葉はこの時期、禁句かもしれないが、受験生と同じように、この言葉に耳をふさぎたい人がいる。3月の本番に向け、合宿を開始したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表候補。悩みの一つは、すべるWBC使用球だ。投手陣はキャンプでも苦闘する姿があった。 たとえば…。「直球の指のかかりを確かめたい」と話して13日の紅白戦に登板した代表候補の阪神・能見は2回2安打1失点。2四球を与え、しきりに指先をみつめていた。ふだん使用しないロージンも試すなど、順応へ懸命-。なんとも、おかしな話である。 プロ野球は2011年から統一球を導入。これは「国際試合で使われるボールにより近いものを」という狙いがあったはずだ。「飛ばないボール」と呼ばれる統一球のせいで、数多くの貧打戦をみせられてきた。ところが、今になって投手が四苦八苦では、この2年の投高打低は何だったのか