「去年のレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップは、3年間のブランクを経た後の『再離陸』としての意味合いが強かった。 だが今年は違う。競技自体のレベル、予測がつかない競り合いの激しさ、世界最速のモータースポーツシリーズとしての魅力、すべてがスケールアップしている。 それは一旦離陸した飛行機が、どんどんスピードを増しながら高度を上げていくのに似ていると思う。エアレースは絶えず進化し続けていくんだよ」 冷房の効いたアブダビのプレスルーム。こちらが差し出した手を固く握り返しながら、エアレースのディレクターを務めるジム・ディマッテオが断言する。 深い鳶色の瞳、アイロンのかかった純白のシャツ、空軍のパイロット出身らしい、こわばった手の感触はまったく同じでも、その口調は1年前よりもはるかに確信に満ちたものになっていた。 彼の言葉が正しいことは、2015年の開幕戦となるアブダビ大会の内容からも
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