答えは技術的には簡単な話だ。どちらも、画像詰めZIP/RARファイルにも、PDFにも対応せず、さらに悪いことに現在のテキストの主流である青空文庫形式テキストファイルにも対応せず、BBeB形式やシグマブック形式などの独自形式に頼ったことだろう(パナソニックは後継機のWords GearでPDFと青空文庫形式に対応。しかし電子ペーパーではなく液晶ディスプレイを搭載したこともあり2400台しか売れなかった)。結局のところATRAC3での失敗、つまりはプロプライエタリの亡霊※を振り切れなければキャズムは超えられないということだ。 ※プロプライエタリ規格とは、自社技術で構成された独自規格のこと。初期のネットワークウォークマンはATRAC3/ATRAC3plusという独自形式ファイルにしか対応せず、そのせいで全く売れなかった。独自規格がデファクトスタンダードになれば、ライセンス収入で大儲けできる。当時