システム手帳が'80年代にブームだったことは、拙著『システム手帳新入門!』(岩波書店)でも触れた。そして手帳が今日のようなブームになることはあっても、システム手帳自体が再び注目を集めることはなかなかなかった。 数少ない例としては『一冊の手帳で夢は必ずかなう』(熊谷正寿 かんき出版)だろう。同書中に登場したファイロファクスのバインダーは、銀座伊東屋で指名買いされるほどの人気になったという。ただしこれは成功手帳的活用法であり、言わばソフトウェア提案だった。 システム手帳のハードウェア的構造が見直されるようなことはほとんどなかった。 そこに一石を投じたのが文具王手帳だろう。『文具を読む・文具本を読む 新興ブランド篇』でも触れたが、文具王手帳には従来のシステム手帳バインダーにはなかったような工夫がいろいろと盛り込まれている。 そして、スライド手帳HIRATAINDERもまた、ハードウェア部分の構造