10月4日に岸田文雄政権が始動した。安倍晋三・菅義偉政権からの政策転換や改革を打ち出した河野太郎氏と比べると、安倍元首相などの重鎮政治家の支援を受けた岸田政権は、経済政策を継続させるという観点では安心感がある。 【写真】 税務署があえて言わない、年金暮らしの人が「手取り」を増やす裏ワザ 一方、過去の発言などからは、岸田首相は従来、経済政策に関して保守的な経済官僚らに近い見解を持っていたと思われる。 ただ、金融財政政策でデフレを緩和して政治的資源を得た安倍政権において、岸田首相は主要閣僚などで政治経験を積んだ。1年前の総裁選挙で菅前首相に敗北してから、安倍氏が会長を務めた議連(ポストコロナの経済政策を考える議員連盟)に参画した。これらの経験を通じて、金融財政政策が経済成長率を高める手段であり、これで労働市場を改善させることが、政治安定に直結するという教訓への岸田首相の理解はある程度深まったと