韓国では2022年8月、首都ソウルを中心に、「80年ぶり」ともいわれる大雨が降り、多くの住宅などが浸水するなどの被害を受けました。この大雨で、あわせて14人が死亡しました。 実はこのうち4人は「半地下」の住宅で暮らしていた人たちでした。 この「半地下」、アカデミー賞を獲得した映画「パラサイト 半地下の家族」でも、その住環境の悪さなどが注目されましたが、大雨で、危険性が浮き彫りになりました。 被害に遭った人たちの現状を取材しました。 (ソウル支局記者・大谷暁) 脱出できず… 3人が死亡 「半地下」で亡くなった4人のうち、3人は、同じ部屋に暮らしていました。40代の母親とその姉、そして10代の娘の3人。このうち姉には障害があり、生活保護を受けていたということです。 大雨が降った4日後に現場を訪れ、階段を下りると、部屋中に水につかった家財道具が散乱し、わずかに地上に面している窓には、3人をしのん