不妊治療の健康保険適応などを検討している菅内閣。しかし、わが国の少子化対策は失敗を続けてきた。コロナ禍でさらなる出生数の減少が見込まれるいま、私たちが認識すべき日本特有の少子化事情とは 結婚、出生の状況をみるために、厚労省が出す人口動態速報をみてみよう(表1)。これは、全国で出された婚姻、離婚、死亡、出生届を月ごとに集計したものである。 まず、婚姻数が大幅に減少していることがわかる。1―7月の累計で、2019年は36万473組あったものが、2020年1―7月の累計で30万7,608組と、約14%減少している。昨年は5月1日に届け出を出す令和婚が多かったことを割り引いても減少幅は大きい。 出生数は新型コロナ流行前の昨年の懐妊の結果のため、減少数はそれほど大きくはない。ただ、結婚後1年ごろの出産が多いこと、結婚している人もコロナ禍による感染不安、病院の受け入れ不安で産み控える人が多いこと、そし