1 ペテルブルクの「モスクワ」駅 2004 2 暗い音楽 3 放浪楽師(スコモローヒ)の伝統楽器 グースリ 4 西洋楽器としてのバラライカ 5 長調を奏でる/短調を聴く 6 美しい未来(プリクラスナエ・ダリョーカ) モスクワから列車で7時間ほどで到着したペテルブルクの駅で列車の発着を知らせる音楽を聞いた。ペテルブルグの「モスクワ」駅(電車の発着地が駅名になるので、モスクワ発着のプラットフォームがある駅は「モスクワ」駅になる)。なにか気になる二小節程の哀調を帯びた旋律だった。2004年の秋、EXIAS-Jの演奏ツアーのときだ。西欧への玄関であり、落ち着いた古都のイメージあったが、わたしが降りた駅周辺はそうではなかった。巨大な建造物が歩く者に圧をあたえてくるかのようなモスクワとは異なり、小振りな建物が多いが、色調のバランスのとれない看板やら広告が無造作に乱立し、雑然とした混沌にむしろ東アジアの