アメリカの貧困拡大とともに増える薬物依存と犯罪。刑務所では収容しきれなくなっているほどです。そこで、警察や検事、ソーシャルワーカーが連携し、薬物常用者が薬物依存に至った根本的な問題の解決に着手しはじめたのです。 依存症の問題は厳罰化では決して解決しません。日本でももっと長い目で一人一人の将来や地域のあるべき姿を見据え、依存症に対する理解を深める動きが加速すればいいと願いつつのご紹介です。さて、シアトルではどのようなアプローチをしたのでしょうか。 処罰より寛容なアプローチを。米シアトル、薬物問題への取り組み このプロジェクトが力を入れているのは、「ハームリダクション」──薬物使用をただちに取り締まったり、禁止したりするのではなく、個人と地域社会へのダメージを軽減するために働きかける寛容なアプローチだ。こうした取り組みが実際に、特に貧困層やホームレスの薬物使用者に功を奏している点について、同プ