恐らくこれから年末にかけての話題といえば、世界的な景気後退がどの段階で収束し、我が国も含む世界経済がどのような形で回復に転じていくのかということだろう。 確かに23日のFOMCの声明によれば、米国経済は深刻な落ち込みを経て回復しているという認識が示されている。ただし、この「回復」はかなりの限定付きであることに注意すべき、というのが順当な見方だろう。市場もインフレ期待が安定的であるという声明の趣旨を受けて、今後も低金利が持続するとの見方が有力であり、事実株価も上がり、国債金利も低下している。以上の市場の動きは好ましい傾向だ。 では、かなりの限定付での「回復」というのはどのような意味合いなのだろうか。個人的には、現状は良好なセクターと深刻なセクターの二つが同居しているのが米国の経済状況なのではないかと考える。 つまり、良好なセクターとは金融市場である。金融市場は信用緩和政策によりFRBがバラン