紀元後79年、古代ローマ帝国の栄光と繁栄のもとに栄えたイタリア南部の都市「ポンペイ」は、ヴェスヴィオ火山の大噴火に見舞われました。 大量に降り注いだ火山灰と火山れきが、逃げ遅れた市民や奴隷、建造物といった暮らしの全てを飲み込み、街は消滅。一時は忘れ去られてしまいましたが、18世紀から発掘が開始されると一躍注目を浴びることになります。 街を襲った火砕流と火砕サージにより、逃げられず焼け死んだ奴隷や、家財を取りに戻った主人、今まさに食事が始まろうとしていたテーブルなどが、まるで瞬間を切り取った写真のような素晴らしい保存状態で発見されたのです。 本展では、ポンペイ遺跡の膨大な遺物を所蔵するナポリ国立考古学博物館が、本邦初公開を含む至宝、約120点を出品。 モザイクや壁画、彫像、貴金属といった美術品のほか、裕福な家庭の豪華な食器や道具類などの日用品の展示を通じて、2000年前の生活様式や高度な文明