概要 先日ふと自分のPCのフィンガープリントを取ってみたところ「IPアドレス」など様々な項目が並ぶ中に「Math.tan」という変な項目を見つけました。 「なぜ三角関数が出てくるの?」と気になって調べてみたところ、**三角関数の値はブラウザやOSの実装により微妙に異なることがあり、特定の式をブラウザに計算させることで利用者を識別する手段になり得る1**という話でした。 面白そうだなと思ったので、本記事ではその手法で実際どの程度までブラウザ/OSを判別できるのか調査してみました。 検証方法 今回は様々な文献12の情報を参考に、以下の式を各OSの各ブラウザに計算させました。 tan(-1e300) cosh(10)(厳密には三角関数の類似ですが) これら以外も10数種類ほど試したのですが、判別に使えたのはこの2つのみでした。 試したOSとバージョン macOS Catalina (ver.10