「インセプション」「インターステラー」などで知られるクリストファー・ノーランの監督最新作「ダンケルク」が、9月9日に公開される。本作は、第2次世界大戦時のフランス・ダンケルクを舞台にしたタイムサスペンス。ドイツ軍に包囲された英仏連合軍の兵士40万人を救出する作戦が、陸海空3つの視点で映し出される。 ナタリーでは「ダンケルク」の魅力を紐解く特集を展開。第1弾となる映画ナタリーでは封切りに先駆けて、映画評論家の町山智浩がノーランに実施したインタビューを掲載。本作に影響を与えた映画作品や、映画初出演のハリー・スタイルズ(ワン・ダイレクション)を起用した理由、そして本物の戦艦や戦闘機を使用した撮影時のエピソードが語られる。 取材・文 / 町山智浩
今、映画産業の根本を支えている「映画館での上映」という形式に少しづつ地殻変動が起きている。その象徴といえるのが、「第9地区」「エリジウム」「チャッピー」の監督として知られるニール・ブロムカンプと、彼が主宰するOats Studiosの試みだ。 RAKKA(Oats Studios) 「大作映画」に身動きが取れなくなる「監督」 最近航空自衛隊への導入が始まった統合打撃戦闘機F-35。この機体のような最近の戦闘機は開発に巨額の予算と時間を必要とし、それは一国の予算でまかなえるものではなくなってしまった。だからF-35はさまざまな国が開発プログラムに参加した機体となっている。映画産業でも、これと全く同じことが起こっている。つまり巨大な予算と関係者の人数に、映画を作るという作業自体が飲み込まれているのだ。 一例を挙げると、最近の「スター・ウォーズ」関連タイトルの混乱がある。人気キャラクターであるハ
切実なリアリティと緊迫感 ──塚本さんと同じく監督としても俳優としても知られるメル・ギブソンですが、最初に彼の存在を知ったのはどの作品ですか? 「マッドマックス」ですね。メル・ギブソンのことはアクションヒーローとして認識していたので、監督業に乗り出したときはびっくりしました。「ブレイブハート」は実は最近になって観たのですが、とても壮大で惹き付けられました。僕が言うのもヘンですが、暴力シーンがものすごい。ギブソン監督は暴力シーンが大好きなんだなと思えるような描写もありますが、当時はああいうことをしないと自由を勝ち取れない時代だったんだということがいい悪いを超えて重々しく伝わってきて。さすがアカデミー賞を獲るだけのことはあるなと凄味を感じました。 ──ギブソンが過去に監督した作品と「ハクソー・リッジ」とで通底している、もしくははっきりと違うのはどのような要素だと思われますか? 「パッション」や
『LOGAN/ローガン』 6月1日(木) 全国ロードショー 20世紀フォックス映画配給 ©2017Twentieth Century Fox Film Corporation 21世紀型映画とは何か? 「スター・ウォーズ」「マーベル・シネマティック・ユニバース」「DCエクステンデッド・ユニバース」、キングコングやゴジラが共存する「モンスターバース」、トム・クルーズの『ザ・マミー』を皮切りに始まる「ユニバーサル・モンスターズ・ユニバース」など、ハリウッドの大作シリーズは、軒並み「終わらない」「永遠に続く」世界を志向している。いわゆる「シェアード・ユニバース」型と呼ばれる21世紀型の映画シリーズである。 さらに、『スプリット』を公開したばかりのM・ナイト・シャマランまでもが、つい先日、『アンブレイカブル』と『スプリット』の続編の製作を発表した。ただの続きではなく、2作品を融合させた一つの続編を
映画「夜は短し歩けよ乙女」に続いて、湯浅政明監督のアニメ映画「夜明け告げるルーのうた」が2017年5月19日に公開される。鬱屈した気持ちを抱えている中学生のカイが、人魚のルーと出会ったことをきっかけに、だんだんと周囲が変化していくファンタジックな物語。カイとルーとの交流や中学生バンドの模様、港町・日無町という舞台を生かしたストーリーなど、さまざまな要素が作品を盛り上げ、それを湯浅監督にしか出せないアニメーション表現で彩っていく。 世界の映画祭を含めた多数の受賞歴を持つ湯浅監督が、現代の空気をいかに感じ、作品にどのような思いを投影していったのか、お話をうかがった。 当たり前になりつつある「言いたいことを言いづらい雰囲気」 ── 本作の企画はどのようにスタートしましたか? 湯浅 最初にオリジナルの劇場アニメというお題をいただきました。子供の頃に見た「藤子不二雄さんの作品」のような雰囲気のアニメ
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のジェームズ・ガン監督にインタビュー:「私は子供の頃にランボーやスネークごっこをしながら育った」2017.05.10 17:308,624 傭兵ペンギン マーベルのスペースオペラ映画第2弾『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』。今回は前作に引き続きメガホンを取ったジェームズ・ガン監督にお話を伺ってまいりました。 カート・ラッセル&シルベスター・スタローンとの仕事やスターロードの父親を選んだ理由など沢山語っていただきました。重大なネタバレはありませんが、やや踏み込んだ内容ですので、ネタバレをシャットアウトしたい方は本編鑑賞後にお読みください。 ――前作は凄まじい大ヒットでしたが、その続編を作る上でのプレッシャーは感じませんでしたか? ジェームズ・ガン(以下、ガン):この3年間はすごく大変でしたが、前作に比べればぜんぜんプレッシ
世界中で話題を集めた「スカヨハ攻殻」の映像化は失敗したのか? だとしたらその要因は? 注目の連載第3回は、内側から見た『ゴースト・イン・ザ・シェル』大反省会。たっぷり正直に語っておりますが、これから観る人には要注意の記述もあるので、あらかじめご了解ください! 三谷 前々回の『沈黙 -サイレンス-』に引き続き、今回の『ゴースト・イン・ザ・シェル』も、実は下っ端的に製作に関わらせていただいた作品なんだけど、仕事した作品ほど、なにから話せばいいのか。切り口がありすぎて迷っちゃうね。 小原 単純に「面白かったか、面白くなかったか」ってところからいくといいのかなぁ。 三谷 この記事が出るタイミングって公開後だし、それでいいか。康平はいつ観た? 小原 ええとね、木曜日の夜。アメリカで公開された週の初日に、勇み足でチャイニーズシアターのIMAXシアターへ観に行ったよ。19時開始だから混雑するタイミングか
Nintendo Switch 2: Everything we know about the coming release
『GODZILLA -怪獣惑星-』 ビジュアル - (C) 2017 TOHO CO.,LTD 先日今年11月に公開されることが公表された『ゴジラ』シリーズ初のアニメーション映画『GODZILLA -怪獣惑星-』が、『ゴジラ』映画史上初の劇場版3部作として制作されていることが明らかになった。26日、東京ビッグサイトで行われたアニメーションイベント「AnimeJapan 2017」で発表された。 【画像】宮野が声を務める主人公ハルオほかキャラクタービジュアル&『GODZILLA』ステージの模様 ゴジラを頂点とする巨大生物たちであふれかえり、“怪獣惑星”になり果てた2万年後の地球を舞台とする本作。この日「AnimeJapan 2017」で開催された『GODZILLA』ステージには、ボイスキャストを務める宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、杉田智和、梶裕貴、諏訪部順一が登壇。これまではそれぞれの役柄は
まるでゲームのようなFPSムービー『ハードコア』、斬新な映像作品を作り出した監督の単独インタビューを紹介! ゲーム好きなら必見の新感覚ムービーがいよいよ日本上陸! 今回紹介する映画『ハードコア』は、2016年4月にアメリカで公開されるやいなや、全編FPS(ファースト・パーソン=一人称視点・シューティング)という、まるでゲームのような映像表現によって全米を熱狂させたアクションムービーです。96分間という上映時間の全編が主人公ヘンリーの視点で描かれているという、驚きの映像がどのくらいゲーム的な作品なのか。まずは以下の予告編映像をご覧ください。 本作の主人公であるヘンリーは、とある事故によって失ってしまった身体の一部を人工的なパーツで再生した、いわゆる部分的サイボーグといった存在。そのため、常人離れしたアクションをこれでもかといった具合に披露してくれます。筆者は公開に先立ち、ひとあし先に拝見させ
映画ナタリー Power Push - 「キングコング:髑髏島の巨神」 モンスターバースの幕開け!オタク監督がお気に入りを詰め込んだ新たな怪獣映画 「キングコング:髑髏島の巨神」が3月25日より全国で公開。1933年に誕生したオリジナル版「キング・コング」以来これまで幾度も映画化され、さらには日本の「ゴジラ」シリーズにも登場している巨大怪獣・キングコングが、「GODZILLA ゴジラ」のレジェンダリー・ピクチャーズによる企画「モンスターバース」の第1弾としてスクリーンに姿を見せる。 映画の公開を記念し、映画ナタリーとお笑いナタリーにて特集企画を実施。映画ナタリーでは、本作のメガホンを取ったジョーダン・ヴォート=ロバーツのインタビュー、そして彼に影響を与えたゲーム・アニメ・映画の一部を紹介する。映画監督として未知数だったものの、2月の来日時にオタクぶりを見せつけ、その“ホンモノ”感で我々を驚
SFの金字塔「攻殻機動隊」の実写映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」が来月公開される。公開を前に、IGNは1995年の「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」を手掛けた押井守監督をインタビューする機会を得た。 「ゴースト・イン・ザ・シェル」の主人公をアジア人ではないスカーレット・ヨハンソンが演じることに関しては賛否両論があったが、押井監督はこの配役に全く問題を感じていないようだ。監督は、スカーレット・ヨハンソンの起用は「考えられる最良のキャスティング」だったと話している。 「彼女を起用することにどんな問題があるというんでしょう?」と押井監督はIGNのインタビューにメールで答えている。「少佐はサイボーグであり、彼女の身体は完全に仮想のものなのです。『草薙素子』という名前や今の身体は、生まれつきの名前や身体ではありません。なので、アジア人の女性が演じなければいけないという主張に根
映画ナタリー Power Push - 「シン・ゴジラ」配信記念特集 虚淵玄(ニトロプラス)、ゴジラの哲学を語る 2016年における国内邦画興行収入ランキング2位を記録し、第40回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀監督賞など最多7部門に輝いた「シン・ゴジラ」。3月22日からauの動画配信サービス・ビデオパスで本作の配信がスタートした。 映画ナタリーでは、特集第1弾として2017年公開のアニメーション映画「GODZILLA」でストーリー原案と脚本を手がける虚淵玄(ニトロプラス)にインタビューを実施。「シン・ゴジラ」の感想をはじめ、怪獣映画の真髄やゴジラシリーズの原体験を語ってもらった。 取材・文 / 大谷隆之 撮影 / 佐藤友昭 「とんでもないのが来るぞ!」とスタッフでもないのに思ってた ──虚淵さんは「シン・ゴジラ」をどうご覧になりましたか? 結論から言うと大変興奮し、かつ心底感動し
映画ナタリー Power Push -「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」神山健治×岩井俊二インタビュー 光と声が生み出すアニメの新しい実在感 神山健治が監督を務めるオリジナル長編アニメーション「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」が3月18日に封切られる。岡山の美しい自然や幻想的な夢の国などを舞台に、ごく普通の女子高生・森川ココネが、自身の過去につながる大きな事件に巻き込まれていく。主人公ココネを高畑充希が演じ、その脇を満島真之介、古田新太、高橋英樹、江口洋介らが固めた。 映画ナタリーでは、監督の神山と「花とアリス殺人事件」で劇場アニメーションを監督した岩井俊二との対談を実施。ストーリーやアニメーション制作の裏側、映像における光の意義、俳優の声の質などについて語ってもらった。なお現在、岡山出身の女優・桜井日奈子と本作のキャスト前野朋哉との対談も公開中だ。 取材・文 / 伊東弘剛 撮影
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く