ドラえもんは中国人にずいぶん愛されているようだ。映画「STAND BY ME ドラえもん」の中国での興行収入は100億円を超えたという。どうしてドラえもんはそれほどまでに中国の人たちに受け入れられるのか。 その理由の一つとして中国の一人っ子政策があると考えられる。この政策は1979年に施行され、ドラえもんは1991年に中国での放送が始まった。この一人っ子世代たちは、のび太くんと一緒に育ってきたわけである。ドラえもんは彼らにとって夢をみさせてくれるヒーローであり、寂しさに寄り添ってくれる兄弟でもあったのだろう。兄弟がいる家庭のほうが多い日本人よりも、より深く入り込める世界観がそこにあるのではないかと思う。 故事成語に「知音」というものがある。その意味するところは「真の理解者」であり、自身のアイデンティティに深く関り、あたかも心の底まで分かっていてくれるような、そんな掛け替えのない存在だ。ドラ