オブジェクトの型を階層的に調べて分岐処理を行いたい場合がある。そのための機能として、C#の次バージョンでは「パターンマッチング」が追加される。 ← 前回 連載 INDEX 次回 → 前回に引き続き、C#に対する機能追加における大きなテーマである「データ処理」に沿った機能を紹介していこう。今回~次回で紹介する機能はパターンマッチングである。今回は前編として、パターンマッチングの構文の紹介や、具体的な用途、オブジェクト指向的な機能とのすみ分けなどについて説明していく。 パターンマッチング パターンマッチングは、オブジェクトの型を階層的に調べて分岐処理を行うための構文である。is演算子とswitchステートメントの拡張として、これらの中にいくつかの「パターン」を書くことができる。 最初に簡単な例を挙げておこう。リスト1およびリスト2に示すような構文になる。詳細は後々説明していくことになるが、この