富山市で2010年、会社役員夫婦が殺害された事件で、殺人容疑などで逮捕された後、処分保留となっていた元富山県警警部補の加野猛被告(54)(地方公務員法違反で公判中)について、富山地検は24日、殺人罪などを不起訴(嫌疑不十分)とした。 加野被告は捜査段階で容疑を認めたが、証拠の矛盾が見つかるなどしたため、地検と県警は補充捜査を続けてきた。しかし矛盾は残ったままで、起訴をしない判断をした。捜査は根本的なやり直しを迫られる。 加野被告は10年4月20日、富山市大泉のマンションで、知人で住人の福田三郎さん(当時79歳)と妻信子さん(当時75歳)の首をロープで絞めて殺し、火を付けたとして殺人、放火、死体損壊の疑いが持たれていた。昨年11月、知人に暴力団員の逮捕情報を漏らしたとして、地方公務員法違反容疑で逮捕され、同年12月、福田さん夫婦殺害の容疑などで再逮捕された。加野被告は「やったことは間違いない