課長なのに、EDなのに、35歳なのに、会社で発射してしまった。今朝、誰よりも早く出社して男子トイレへ向かった僕は、オッサンしかいないのに<男子>というのは笑止くくっと笑いつつ、小便器の前に仁王立ちし『パウ!』一喝、全身の筋肉を弛緩させた。あれ?違和感。直後バリバリバリ。やめてー!慌てふためく僕の先からは尿とは異なる熱いものが打ち出されていた。 僕は初冬の冷気できんきんに冷えた小便器の前で尿からたちのぼる熱気にうたれながら彫刻のように立ち尽くしていた。畜生畜生。昨夜見た希崎ジェシカ「学校でしようよ」が今更…畜生畜生畜生…、なんという失態だ!!! 俺は...僕は...私は...うなだれる僕の前、じゃら〜ん、レクイエムを想わせる水流の音が、ぐぼぼぼっという荘厳な余韻を残して鳴り止んだ。硬直していた僕の前、便器にこびりついたゲル状の僕チルドレン。ただ恥辱、ただただ屈辱。 逃亡は不可。こんなことなら