近年、フェミニズム文学や抹茶ラテを好む男性が揶揄される一方で、ソーシャルメディアやポップカルチャーを中心に「ヒンボ」と呼ばれる新たな男性像が注目を集めている。 筋肉質で大柄、しかし性格は温厚で、どこか無邪気で素朴な「おぼこい男性」だ。 頭脳明晰でもなく、社会問題に雄弁でもない。ジム通いを楽しみ、プロテインを愛し、パートナーの隣で屈託なく笑う──。そんな男性が理想の「ドリーム・ガイ」として再評価されている。 「ヒンボ(himbo)」とは、him〈彼〉とbimbo〈おバカで魅力的な女性像〉を組み合わせた造語で、1980年代の米国では「知性には欠けるが筋肉質で二枚目な男性」を揶揄する言葉だった。 当初は「笑われる対象」だったが、2020年前後に若者の間で再び注目され、「愚かさ」よりも「善良さや優しさ」が強調されるようになった。近年は、無害で誠実な存在として、理想のパートナー像に位置づけられている
