発電コストでは大差がつかない エネルギーの種類で5種類、実装技術ではさらに多様な蓄エネルギー技術を選ぶ際の指標は、典型的放電時間や出力の大きさだけではない。具体的に幾つかの指標で、各技術の優劣を見ていこう。 まず最重要の指標は、発電コスト(LCOE†)の低さだと考えるのが自然だ(図1(a))。ところが、実はこれらのさまざまな蓄エネルギー技術の間で、LCOEには必ずしも大きな差がついていない。LIBよりもLCOEが低いことをアピールする技術も少なくない。 †LCOE(Levelized Cost of Energy Storage)=均等化発電(または蓄エネルギー)コスト。その蓄エネルギー技術の導入コストを、その耐用年数の間に、劣化率(割引率)を考慮しながら償却できる充放電1回分の利用費用の最少額。導入費用が同じなら、サイクル寿命が長いほどLCOEは低下する。一般に、充電時の電気代も含むため