魔術師と予言者――2050年の世界像をめぐる科学者たちの闘い 作者:チャールズ・C.マン紀伊國屋書店Amazonこの『魔術師と予言者』は書名だけみるとファンタジィ小説だが、その実態は2050年、人口が100億に達した時の地球環境の危機について考察する大著である(ページ数は700を超える)。現在の地球人口は約77億人だが、すでに限界ぎりぎりの地球の資源状況が人口が増えればここから厳しくなっていくのは火を見るより明らかだ。 このままだと、食料も、エネルギーも、水も、気候も、すべてが破綻しかねない。では、我々は未来に備えて何をすべきなのか? その対抗策について、本書では科学の力を駆使することで、農業の生産性を上げ、エネルギーの供給量を増し、問題を解決せよ! と唱える一派らをノーマン・ボーローグを模範とする「魔術師派」。 地球資源には限界があり、人間は科学に頼るだけでなく抑制もしなければならない!