演繹法による論証とは、「一般的に正しいとされていること(前提)」をもとに、「ある事象(観察事項)」をとりあげて、「妥当と思われる結論」を導くものです。 三段論法なども、演繹法の一種とされています。今回、ご紹介する“類推”による論証も、演繹法に似ています。その性質は、2つの事例から類似点を抜き出し、推理するというものです。 まったく異なるもの同士なのに、なぜか類似している点が複数ある。ということは、他の点でも同じ性質をもっているのではないか。そう考えるのが、類推の初期段階となります。 類推による論証とは 類推による論証とは、例証のように複数の事例をとりあげるのではなく、2つの事例から類似点を抜き出すことで、他の点でも共通する部分があるのではないか、と推理する方法です。 類推による論証は、さまざまなシーンで活用されています。たとえば、「肉体と脳はどちらも人間にある器官だ。だから、体を鍛えるよう