ぼくは、勝新太郎の最後の「弟子」だった――。晩年の勝新太郎と濃密な時間を過ごしたノンフィクションライターの田崎健太氏が、勝新の駆け抜けた人生を著した『偶然完全 勝新太郎伝』。大麻・コカイン事件の舞台裏が明かされた前回に続き、勝新の豪快エピソードが詰まった部分を特別公開する! 勝流「女の口説き方」 『週刊ポスト』で、勝新太郎による人生相談の連載担当になった筆者は、初対面から彼の放つ魅力に惹きつけられる。そして、勝に振り回されるとんでもない日々が始まった――。【前編より】 次の取材は、勝プロで話を聞くことになっていた。連載は始まっておらずまだ質問は来ていない。そこで事前取材としてぼくが聞きたいことを、ファックスで送っていた。勝の部屋に入ると、老眼鏡を掛けてその紙を読み耽っていた。 「粋な遊びとは何かって聞かれてもね」 勝は顔を上げた。粋な遊びを教えて下さいという質問を入れておいたのだ。 「綺麗