(このストーリーはフィクションです。作中の「私」も「男」も実在の人物ではありません。) 私は軽く頷き、口を開く。 「ええ、確かにごもっともだと思います。」 男の目を軽く睨み、言葉を続ける。 「でも、あなたはこの国の為に命を捧げるご覚悟はおありですか?」 そう私が話すと、男は完全に黙り込んでしまった。 現実、周辺事態は安定しているとは言いがたく国境の付近の海域ではいつも海上保安庁と相手国の保安船や漁船を装っているなにかとぶつかっているニュースが頻繁に聞こえてくるし、いつミサイルを打ち込まれても不思議ではない状態なのは事実だ。 それ故に、守って下さっている海上保安庁の皆様や、自衛隊の皆様には感謝こそすれ批判するなんてとんでもないと思う。男の考えはわからなくないのだけど、それを飲んでしまうほどの度胸は持っていないのだ。少なくとも私は。 「よく平和ボケだって言われます。実際、その通りだと思います。
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