ジョン・レノンがかつて歌にしたワーキング・クラス・ヒーロー。ビートルズや花形サッカー選手など、労働階級出身の英雄を指す言葉だ。英国の演劇・映画界において、この言葉にぴったり当てはまるのがゲイリー・オールドマンだろう。彼の最新作は『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』。 「チャーチルはイギリス人にとって特別な存在です。けた違いに重要な歴史的人物を演じるということに難しさを感じたし、過去において多くの俳優が彼を演じてきたので、最初はこの役を引き受けるのに躊躇しました」と告白する。 南ロンドンの下町育ち。労働者階級出身のゲイリーは、80年代『シド・アンド・ナンシー』や『プリック・アップ』『ザ・ファーム』などで労働者階級の若者を演じ、長編映画の世界でブレイクした。そんな彼が、貴族で代々政治家の血筋を引く英国首相のチャーチルを演じる。 「リサーチを始めると、触発され、エネルギーが湧