青森市の県営浅虫水族館が国内で初めて展示している完全養殖クロマグロの稚魚が6日現在、1匹だけになったことが分かった。大分県から31時間半をかけて運ばれた3千匹の稚魚は8月7日の到着後に多くが死んでしまったが、1匹になった稚魚は体長17センチと約1カ月で3倍の大きさに。生き残った稚魚をひと目見ようと、6日は水槽前に見物客が次々と訪れていた。 同水族館によると、5日には残り4匹だったが、6日朝までに3匹が死んだという。稚魚を眺めていた青森市の女性(51)は「1匹まで減ってしまって残念。最後の稚魚には大きくなってもらって、青森の顔になってほしい」と願った。 同水族館は、8月10日ごろから自然海水の注入による水質改善をしてきたが、海水温の低下に備え、ろ過装置を起動した。稚魚は水温の変化に敏感なため、水槽内の水温が24度以下になった場合、ろ過した水をボイラーで温めて循環させるという。 櫛引俊彦飼育展