1891年東京生まれ。竹久夢二に感化を受ける。東京美術学校で洋画・彫刻を学ぶが中退。藤森静雄・田中恭吉と[月映]を刊行。萩原朔太郎の詩集『月に吠える』の装幀と挿画を担当、28年『北原白秋全集』の装幀で装本家の地位を確立。抽象画の先駆者、また日本の版画界のリーダーとして大きな足跡を残した。『飛行官能』『海の童話』『博物誌』『虫・魚・介』など優れた自作装画本を刊行した。1955年永逝(享年63)。 繊細でシャープな抽象作品の数々が、創作版画のみならず日本における抽象表現の先駆として高く評価されている恩地孝四郎ですが、94年に横浜美術館で開催された回顧展では、初期から晩期にいたる版画作品をはじめ、本の装幀、オブジェ、写真作品などが網羅され、この画家の才能がいかに時代に先駆けていたかを改めて再認識させるものでした。
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