「どうしても東京に出たい」 高校3年の時そう思い立ち、猛勉強とはいわないまでも、それなりに勉強して、それなりの大学に入った。 合格発表の日、どうしても掲示板で受験番号を確認したかったのに、おかんは上京する新幹線の中で電話で合否を調べてしまった。合格。 センター試験の結果から当然受かると思っていて、あまり感動しなかった。でも、おかんは泣いていた。それに少しウルッときた。 大学につくと、もうピークは過ぎたのか受験生の数はまだらですこしがっかりした。運動部の部員がもう少ししか居ない新入生を必死に勧誘していた。 受験の時以来に来た大学は、補修工事が終わっていてあの醜い足場やシートが取り外されていた。 その日にアパートを探した。おかんには大学の近くを勧められたけど、どうしても都心の近くに住みたかった俺は学校と新宿の間に部屋を借りた。 初めての一人暮らし、しかも東京で。ワクワクしていた、今まで経験でき