認知症などで判断力が衰えた高齢者らの財産を守る後見人らが家裁に解任されたケースが昨年1年間で286件に上り、2001年の5・6倍に達したことが最高裁のまとめでわかった。 財産の着服などの不正行為が主な解任理由で、最高裁は、このままでは後見制度への信頼が失われかねないとして、被後見人の財産を信託銀行で管理する「後見制度支援信託」制度の導入を検討している。 後見制度は、認知症や精神障害などで判断能力が不十分な高齢者や、両親のいない未成年者らに代わり、家裁から選ばれた弁護士などの後見人が、財産を管理したり、生活に必要な契約を結んだりする制度。中でも成年後見は、高齢化を背景に利用が増え続け、昨年の申立件数は、01年の約2・8倍に当たる2万4905件に上った。