障害の有無にかかわらず、全ての子どもが同じ教室で共に学ぶ「インクルーシブ教育」。共生社会を築く上で欠かせないものと国際的には考えられているが、日本の教育現場では、障害のある子どもの多くが障害のない子どもと分けられているのが現状だ。そんな中にあって、「原学級保障」という方式で「ともに学び、ともに育つ」環境を築いてきたのが大阪府だ。しかし今、日本でも希有な教育実践の現場が、文部科学省の一つの通知で揺れ動いている。(文・写真:ジャーナリスト・飯田和樹/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 障害児、健常児がともに過ごす小学校阪急宝塚本線・岡町駅から東へ約700メートル。大阪の豊能地区を南北に貫く国道176号から少し路地を入ったところに、豊中市立南桜塚小学校がある。外見はなんの変哲もないが、校舎内に足を踏み入れると、他校ではなかなか見られないような光景を目にすることができる。 「ツバキちゃ