好む好まざるにかかわらず、現代社会は科学と切りはなせないものとなっている。科学という言葉が適当でなければ、合理主義といってもいい。理屈にあったことを正しいとしてそれに従いましょうというのが、現代社会の基調にある。民主主義とはそういう政治体制であるといってもいい。何が合理的かということは徹底した議論の果てに明らかになる。そういう議論をつくしてもっとも合理的な方法を採用しましょうというのが民主主義だと、これは中学校の公民の教科書にさえ書いてある(合理主義とは書かずに「効率」と「公正」と書いてあるのはなんだかなあと思うが、それは表現の問題で、結局は合理主義を示しているのは明らかだ)。 私自身は、合理主義で埋め尽くされた世界を息苦しいと感じる方で、どっちかというと非合理的な世界の方に惹かれる。しかし、それは現代ではせいぜい趣味の範囲でやってくれということになっていて、公の場では合理主義者として振る