先月、今月と、ある取材に同行する形で日本テレビのOBに話を聞く機会があった。 OBと言っても、ただの「元社員」ではない。日本テレビの常務から福岡放送の社長・会長まで務めた方、原章さんである。 現在はすべての職を離れ、地元横浜に戻られて悠々自適の日々を過ごされている原さんと私が会って話を聞く、その中身はもちろん「テレビ局の経営」では、ない。 実は原章さんは、「力道山時代」からプロレス中継に携わり、その後も長く「全日本プロレス中継」のプロデューサーを務めた人物なのである。 プロレス中継のディレクターを担当したことがある私にとっては「常務さん」である以上に「プロレス中継の大レジェンド」なのだ。80歳を超えられた現在も頭脳は明晰、昔のこともしっかりと記憶されていた。あるいは取材記者の質問に答えながら、徐々に思い出してくるという感じでもあった。そんな原さんへの取材内容は、まっすぐに「プロレス中継の・