「株主重視」と言いつつも実態は「従業員重視」。そうかと思えば組織体制は非効率的で、優秀な人材が能力を発揮し切れない。グローバルで見れば「非常識」とされる日本企業の「常識」はどのように変革すべきなのか。 早稲田大学IT戦略研究所は1月28日、経営層向けのセミナー「第29回 インタラクティブ・ミーティング」を開催した。「非・常識の組織を考える」と題した講演を行ったのは、早稲田大学ビジネススクール教授の相葉宏二氏。少年時代に父親の仕事の都合でシンガポールに在住した経験があり、米国のMBAスクールに2年間留学したり、外資系企業への勤務経験が多かったりなど、「やや海外にバイアスのある経歴」(相葉氏)の持ち主だ。その視点から、いわゆる「日本的経営」の問題点を指摘するのが、今回の講演の内容である。 本物の株主重視ではないから事業の採算目標が低い 相葉氏は、日本的経営の問題の根幹として「グローバルな基準ほ